
長年にわたり、子どもたちの成長を見守り、支え続けてくださった「さとおや」の皆さまへ。

このたび地球市民の会では、奨学金制度のあり方を見直し、子どもたちの学びが続いていく環境をより確かに支えられる仕組みへと、歩みを進めていくことにしました。
これは、これまでの支援を否定するための変更ではありません。皆さまが大切にしてきた想いを、これからも現地に届け続けるための選択です。
これまでの奨学金制度は、多くの子どもたちに学ぶ機会を届けてきました。
一方で近年、現地では、奨学金だけでは支えきれない現実が、よりはっきりと見えるようになっています。
公的な教育制度が行き届いていない地域では、ボランティアの先生たちが、子どもたちの学びを支えている学校があります。
そうした場所では、先生に給与を支払って教育を継続してもらうほうが、学びを守ることにつながります。
また、自然災害などによって校舎が被害を受け、子どもたちが通う「学びの場」そのものが失われてしまうケースもありました。
しかし従来の制度では、ご寄付の使い道が「特定の子どもへの奨学金」に限られていたため、教師や学校環境といった、「今まさに必要とされている支援」に十分に使うことができない場面もありました。また、為替の影響などもあり、奨学金の金額が現地の状況に対して十分とは言えなくなってきた地域もあります。
子ども一人ひとりと、さとおやさんを結びつける個別マッチングや、個別の入金管理、毎年58名分のプロフィール翻訳・発送作業などに、非常に多くの時間と労力がかかっていました。
支援者さんが増えるほど事務作業が増える構造になっており、現場では支援のニーズがまだまだあるにも関わらず、支援の規模を拡大することができませんでした。また、支援者さんにタイムリーに現地の様子をお伝えすることもできていませんでした。
私たちはこれまで、一人ひとりの将来を支えたいという思いから、1対1の奨学金制度を続けてきました。 けれど現場と向き合う中で、子どもの将来を支えるための奨学金が、結果として「学校に残ること」だけを正解にし、途中で立ち止まることを「失敗」のように見せてしまう場面があることに、違和感を覚えるようになりました。
例えば、治安悪化の影響で家族が引っ越しすることになり、家族と離れ離れにならないよう、高校をやめるしかなかった子。
父親が亡くなってしまい、病気の母親を支え、幼い弟たちを養うために、高校をやめて働き始めるしかなかった子。
このような理由でさとごが退学すると、本部スタッフ、現地スタッフ、高校の関係者など多くの関係者が何度も会議を重ねることになります。さとおやさんにしっかりと事情をご説明してご理解をいただいていますが、せっかくご支援いただいたのに退学という事態になり、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
このような事態が続くと、「辞めてしまいそうな本当に貧しい子は、最初から奨学生として選ばないようにしよう」という力学が、現場で発生しやすくなります。現場スタッフに悪意があるわけではありません。「さとおやさんにご心配をおかけしないために、奨学金制度をスムーズに運営するために」と、最善策を考えた結果です。
つまり、1対1の奨学金制度は、一番支えが必要な子どもを支え続けることが難しいという「構造的な問題」があるのです。
このような経験の積み重ねがあり、「本当に子どもたちの学びにとって、最も効果的な支援の形は何なのか」を、あらためて立ち止まって考える必要があると感じるようになりました。
地球市民の会の職員で何度も議論を重ね、ローカルスタッフや理事会からの意見も取り入れながら、新制度について検討しました。
また、支援者の方からのご意見も参考にしつつ、新たな制度を設計しました。


これからは、皆さまからのご寄付を、一度「教育基金」としてお預かりします。
そのうえで、各国・各地域の状況を見ながら、今、その場所で本当に必要とされている教育支援に活用していきます。
奨学金が必要な子どもには奨学金を。
先生の存在を支えることが重要な場面では、その環境を。
学校や学びの場を守ることが必要なときには、その取り組みを。
そして、学びを学校の中だけに閉じず、国や地域を越えて出会い、学び合う機会が子どもたちの成長につながるときには、そのための交流やプログラムにも活用していきます。
支援の形を一つに決めるのではなく、一人に結果を背負わせない支援として、子どもたちの学びが続く環境を、みんなで支えていくための仕組みです。
ご寄付を一元的に管理し、年度ごとの事業計画に基づいて配分することで、その時々の現地の状況や学びの可能性に応じた、より効果的な支援が可能になります。
「ぐるり学びの木」は、子どもたちの学びと、支援する人の気づきがめぐり、つながっていく教育支援制度です。
教育は、すぐに結果が出るものではありません。
木が時間をかけて育つように、一人ひとりの学びと成長も、ゆっくりと育まれていきます。
この制度は、支援する・されるという関係を超えて、人と人とのあいだを学びが巡ることを大切にしています。
世界の子どもたちと、未来をともに育てていく。
それが「ぐるり学びの木」です。
― これからの関わり方について ―
制度が変わることで、これまでと同じ形ではできなくなることがあります。
まずは、その点について正直にお伝えします。
これらは、制度の見直しに伴い、これまでと同じ形では行わなくなります。
1対1の関係ではなくなっても、あなたの支援が確かに学びを支えている実感を持っていただけるよう、つながり方を丁寧に育てていきます。



現在ご支援いただいている1対1の奨学金については、お支払い期間が終了するまで、これまで通り継続します。
その後のことについても、お一人おひとりの状況に合わせて、あらためてご案内します。
これからも一緒に、子どもたちの学びを支える道を歩んでいただけたら嬉しいです。

現地の状況が変化する中で、奨学金だけでは支えきれない学びの課題が増えてきました。
先生や学校環境を含め、子どもたちの学びが続く環境を、より柔軟に支えるために制度を見直しました。
現在ご継続中の奨学金は、お支払い期間が終了するまで、これまで通り継続されます。
終了後は、新制度での支援へ自動的に移行します。
いいえ。特にお手続きは必要ありません。
ご連絡がない場合は、そのまま新制度へ移行します。
はい、可能です。新制度では月額1,000円からご支援いただけます。1口1,000円として増やすこともでき、上限はありません。
変更をご希望の場合は、事務局までご連絡ください。
はい、可能です。ご寄付は教育基金としてお預かりしますが、国別の活動報告や交流企画などを通じて、関心のある国の学びの現場に継続して関わっていただけます。
1対1のマッチングや個別の手紙のやりとりは、これまでと同じ形では行わなくなります。
今後は、写真・動画・現地の声などを通じて、成長の様子をお伝えしていきます。
そのような方向けに、1対1の関わりを意識した支援の形(選択肢)をご用意しています。月額10,000円以上のご支援で、特定の子どもと手紙のやり取りをすることができます。
ご寄付は教育基金として一元管理し、学び全体に活用します。
先生や学びの場がなければ、教育は成り立ちません。
特に公的な教育制度が行き届いていない地域では、学びの土台を支えることが、多くの子どもたちの学びにつながります。
はい。教育基金としてお預かりしたご寄付は、事業計画に基づいて配分し、写真や報告を通じてお伝えします。
新制度への移行を希望されない場合は、事務局までご連絡ください。支援終了の手続きを行います。
はい。状況が変わったときには、いつでも新制度から再びご参加いただけます。
ご不明点やご相談がありましたら、事務局までご連絡ください。
office@terrapeople.or.jp(担当:牧野)
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